管理組合の役員(理事・幹事)の選び方や報酬と任期について

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管理組合の役員とは

マンション管理組合でいう役員とは、理事会の運営にあたる理事・監事を総称した呼び方です。
理事には理事長、副理事長などの他に、渉外担当、営繕担当、広報担当、企画担当などの担当役員が設定されるケースが多く、その名称や役職はそれぞれのマンションの状況にあわせて自分たちで策定します。
国土交通省による『マンション標準管理規約』(管理規約の雛形)によると、管理組合の役員(=理事・監事)は、組合員の出席のもと、総会で選任するとこととあります。理事長・副理事長は、理事の互選で選任される慣わしです。
管理組合の役員は、立候補制や輪番制などの決め方で選任されます。
立候補制の場合、「立候補者が不在」といった問題があり、実際、「理事の仕事は面倒くさい」という理解が多く、そのため、輪番制を採用している管理組合がほとんどです。

理事会とは

マンション管理組合の多くで、理事会を設置していますが、区分所有法で規定された機関ではありません。
理事会は総会決議に従い、実地に業務執行を行う機関として「自発的に」設置されていると捉えられますが、国交省による「標準管理規約」の中には「理事会」の規定があります。
そこには「理事会は次の各号に掲げる事項を決議する」とあります。

第54条 理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる
事項を決議する。
一 収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案
二 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案
三 長期修繕計画の作成又は変更に関する案
四 その他の総会提出議案
五 第17条に定める承認又は不承認
六 第58条第3項に定める承認又は不承認
七 第60条第3項に定める未納の管理費等及び使用料の請求に関する訴
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訟その他法的措置の追行
八 第67条に定める勧告又は指示等
九 総会から付託された事項

つまりは、管理組合の最高議決手段である総会に提案する案を策定するのが主な仕事ということです。そして、理事会には管理会社の担当者も出席するので、彼らが執り行う予算執行のチェックなども行います。

理事会の実態を見ると、多くの場合、月1ペースの定例で開催されます。
議題には、マンションにかかわる日常的な課題・問題がリストアップされ、臨機応変に対応します。もし、それが総会決議が必要な問題であるならば、次回の総会で決議するための議案を作成します。

①ある総会議案を作成
②その議案を総会で決議
③当該案件の予算を執行

①〜③まで、最短で2年、普通のペースで3年程度の時間がかかります。

先程、標準規約の条文を記しましたが、理事会とは、管理規約上の機関と定義することもでき、定足数や議事録作成についても、管理規約で規定することができます。『マンション標準管理規約』では、理事会議事録を作成し、閲覧できるよう定めています。

管理組合の役員の選出方法


マンション管理組合の役員の決め方には、立候補制や推薦制などの選出方法があります。「やる気のある人に任せる」という観点では立候補制がベストですが、実情では立候補だけでは定数に達しません。
そこで、役員の選出方法は、輪番制を採用する管理組合が大半となっている模様です。輪番制はローテーションで、いつか必ず自分の番がやって来るので、「時間差による公平な選出方法」とみられます。
近年、問題になっているのが、リゾートマンションや投資型マンションなど、「区分所有者の居住実態がない」というケースです。この場合、輪番制だと「数少ない居住者間であっという間に順番が回ってくる」という事態になります。そんな時は、「居住していない区分所有者は管理費になにがしらの金額を上乗せして徴収」という、つまり「お金で解決」的な考え方で不公平感の緩和を図ります。

管理組合の役員の報酬

『マンション標準管理規約』によると、管理組合の役員に対し報酬を与えることができる旨が記載されていますが、報酬あり・無報酬とバラバラの状況となっています。住民の高齢化などで、役員のやり手不足が深刻化している昨今、ささやかでも報酬がモチベーションアップにつながるかもしれません。
管理組合の役員報酬は一般に、管理規約で規定できます。金額を変更する場合は、総会の場で一定数以上の賛成を得て、役員報酬規定を変更させる必要があります。

いろいろ調べると、中には、一般理事は無報酬で、再任可の理事長だけが報酬を受け取る管理組合もあるようですが、利権集団化するリスクをはらんでいるので要注意です。

管理組合の役員の任期

マンション管理組合の役員の任期は、法律上の制限はないので自由に設定できます。それでも、長期政権の弊害を回避したい狙いがあってか、1〜2年の期間で区切って、任期制を採用しているケースが大半です。
管理組合の役員の任期は、管理規約で明文化することで正当性が与えられます。さらに、1〜2年ごとに、役員全員または半数を改選するのが一般的です。
管理組合の役員は、任期を終えても再任されることが可能ですが、利権集団化しないよう一定の制限を設けるとよいでしょう。また、役員が区分所有者から徴収した管理費や修繕積立金を、横領するなどのスキャンダルが発覚した場合、任期途中でも解任されることがあります。現に、長期政権が続いた場合、お金の管理がいい加減になったり、業者との関係が癒着したりという実例がいくつもありますから、定期的に人員が入れ替わるということは必要なことでしょう。

管理組合の役員を断りたい


「管理組合の役員をやりたいのでマンションを購入した」という人を見たことがありません。
逆に、「マンションは購入したけれど役員はやりたくない」という人がほとんどです。
なので、マンション管理組合の役員に選出されたけど、断りたいという人が続出していて、一方、役員の決め方が輪番制となっていれば、いつか必ず順番がめぐってきます。

ですから、管理組合の役員を断りたいとしたら、だれもが納得できるような理由が必要になるでしょう。

「高齢者で体力的に無理がある」
「多忙で理事会への出席が難しい」
「病気や介護で時間を割けられない」

という人もいるとは思いますが、「みんななんかしらの事情を抱えているのだ」と反論もされます。
なので、「今は無理でも5年後なら大丈夫」といった「スライド式就任」を訴え、周囲に理解してもらうのが現実的です。
また、「どうしても無理」という人がいた場合、「どういう条件の人ならばパスするか」「管理費の上乗せなどの条件によってパスできる」などの規定をあらかじめ管理規約で定めておくことも方策のひとつです。

管理組合の役員のなり手不足問題

マンション管理組合では、役員のなり手問題に悩むケースが増えているといいます。人手不足で、管理組合の運営に支障が出るようになり、結果的にマンションの資産価値の低下につながりかねません。
管理組合の役員のなり手不足が問題化した原因は、区分所有者の無関心、住民の高齢化などがあげられます。また分譲マンションであっても、賃貸化の進行は、役員のなり手不足問題を助長します。
管理組合の問題点は、管理規約の改訂で役員になるためのハードルを下げる対策も効果的です。なり手不足に端を発し、管理会社にすべてお任せする方法もありますが、マンション管理の主導権が低下するのが問題点といえます。

管理組合の役員を務めない者への対応

マンション管理組合は、役員を務めない者への対応に追われるケースが増えているようです。務めない者にはまず説得が試みられ、マンションの内情や収支が把握できるメリットをあげ、サポートを約束するケースも多いようです。
それでも、役員を務めない者に対し、管理組合は「協力金」などの名目でペナルティを課す対応がよくとられます。獲得された協力金は、管理組合の収入アップに貢献します。
また、管理組合の役員を務めない者が多い場合、第三者管理方式といって、外部の専門家に代行してもらう対応がトレンドとなっています。管理会社やマンション管理士が、役員不足の穴を埋める格好になり、現実的な対応策として注目を集めているのです。

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